昨日試し読みの毎日新聞が入っていたので読んでいると、「液状化の危険 把握を」という記事(毎日新聞2016年2月12日金曜日朝刊12面)がありました。自分が住む土地でどれくらい液状化が起こりやすいのかを把握することが大事であり、各種防災マップが役立つと書かれています。そのなかで、まず国土地理院の「土地条件図」が挙げられています。
この土地条件図は、名前からはピンとこないかもしれませんが、地形を分類した地図です。空中写真、地形図等の資料調査や現地調査に基づき、国土地理院が作成しています。いわば、地形判読の模範解答のようなものです。地質関係に従事している方は、よくご存知だと思いますが、非常に精度が高いです。まだ、見たことがない方は、是非近所で現地と比較してみてください。素晴らしい地図であることがわかります。実はボーリングデータと比較するともっとわかります。
地形は災害時の被害状況と密接に関係していることから、土地条件図は特に災害危険性を把握するのに有効に活用できます。しかし、以前から感じていたのですが、いまいち広く認知されていないような気がします。その原因としは、以下のようなことが挙げられると私たちは考えます。
- 土地条件図というネーミングから何に使う地図なのか直感的に分かりにくい。
- 専門家用の地図で、一般の住民には敷居が高いようなイメージがある。
- 調べたい住所を探しにくい。
- 凡例と見比べるのが面倒。
- どの地形分類が危険性が高いかが、分からない。
1、2は、私たちではどうにも出来ないので、3、4、5は、何とかしたいと思っていました。これだけ災害の多い日本に、これだけ優れた地図があるのに、あまり一般に認知されていないと感じるのは、納得が行かないからです。
そこで、たまたまもらった新聞を契機に、またまた重たい腰を勝手に上げて、3、4、5を解消するWebアプリのようなものを作りました。以下のように、この3点を解消しています。
- 調べたい住所を探しにくい。=> グーグルマップを使わしてもらう。
- 凡例と見比べるのが面倒。=> 凡例を同一画面に表示してスクロール可能にする。
- どの地形分類が危険性が高いかが、分からない。 => 凡例と一緒に評価を示す。
それが、土地条件図を使いやすくするWebアプリ『Location』です。
最近、ネット上では地盤診断サイトがとても多くなりましたが、これらは業者さんの評価が加わった二次資料です。是非土地条件図のような一次資料に直接触れることで、災害に対する関心を深めていただきたいと思います。