グーグルマップで最短線(測地線)-geodesicプロパティ

グーグルマップでは2通りの線を描くことができます。
・等角航路(経線となす角が常に一定):下の地図の青い線
・測地線(最短距離となる線):下の地図の赤い線

グーグルマップはメルカトル図法で投影されているため、等角航路は直線になりますが、
測地線は曲線になる場合が多いです。

グーグルマップでこれらを指定するには、
PolylineOptionsのgeodesicプロパティをfalseにすれば等角航路、
trueにすれば測地線(最短線)を描きます。

例えば、上の地図の例では以下のように指定しています。

        function initialize() {
            var myLatLng = new google.maps.LatLng(40, -170);
            var myOptions = {
                zoom: 2,
                center: myLatLng,
                mapTypeId: google.maps.MapTypeId.TERRAIN
            };
            var map = new google.maps.Map(document.getElementById("map"), myOptions);
            var pathCoord = [
                new google.maps.LatLng(35, 139), 
                new google.maps.LatLng(34, -118)
            ];
            var geodesicLine = new google.maps.Polyline({
                path: pathCoord,
                geodesic: true,
                strokeColor: "#FF0000",
                strokeOpacity: 1.0,
                strokeWeight: 2
            });
            var rhumbLine = new google.maps.Polyline({
                path: pathCoord,
                geodesic: false,
                strokeColor: "#0000FF",
                strokeOpacity: 1.0,
                strokeWeight: 2
            });
            geodesicLine.setMap(map);
            rhumbLine.setMap(map);
        }

一方、大圏コース(greate elliptic cource)と呼ばれる経路がありますが、
これは測地線とは定義が異なります。大圏コースとは、
「楕円体中心と2点を含む平面と楕円体面の交線」
であり、最短経路を示す測地線とは常に一致するとは限りません。
※地球を球体とみなした場合は、一致します。

これは、当サイトのDistanceを用いても確かめることができます。
赤道上の真裏と真表の関係にある2点を結ぶ大圏コースは、赤道周りになりますが、
地球は回転軸方向に押しつぶされたような楕円体のため、最短線を示す
測地線は極回りになります。
下の図のようにグーグルマップの測地線も極回りの線を描いてくれます。

equator
当サイトDistanceでの計算例
※終点の緯度経度をちょうど赤道上の(0,180)に指定すると、用いている計算式では算出できないため結果は表示していません。そのため、上の例では北側に1度だけ赤道からずらしています。

参考文献

飛田幹男(2002):「世界測地系と座標変換」,社団法人日本測量協会,pp.160-163.